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防火防災に関わる資格について


防火防災の資格

(公開 2021/03/02)

 1. サマリー

防火防災に関わる資格は国家資格から民間資格まで数が多い。本コンテンツは、数ある資格の中から実現場で有効となる資格をピックアップすることで、建物に関する課題を解決できる業者選定の一助になるだろう。


 2. 目次


 3. コンテンツ

# 消防法関連

① 消防設備士

消防法で定められている、建物に設置された消防用設備の点検、整備及び工事を行うことのできる国家資格。対応する消防用設備の種類に応じて8種類に分かれているほか、点検、整備及び工事のうち、点検と整備しかできない乙種と工事も行える甲種が存在する。② 消防設備点検資格者と違い、整備と工事に関しては消防設備士の独占業務となるため、その業務を行う人であれば資格の取得は必須である。


参考:一般財団法人 消防試験研究センター


② 消防設備点検資格者

消防用設備に関する業務のうち、点検に絞って業務を行うことのできる国家資格。消防用設備の種類に応じて、1種、2種及び特種の3種類に分かれているが、特種で扱う消防用設備は日本でもごくわずかしか配備されていないため、実質2種類取得すればほぼ全ての消防用設備の点検業務をカバーできる。取得するための講習費用が高くつくが、あくまで点検業務のみしか行わないと決めるのであれば、手っ取り早く資格を取得するには良い選択しになる。


参考:一般財団法人 日本消防設備安全センター


③ 防火管理者(甲・乙)

消防法にて定められる、防火管理者の設置が必要とされた建物において、当該防火管理者となるために必要な資格。建物の規模に応じて、甲種もしくは甲乙どちらかの資格を得たものでなければ、防火管理者になることはできない。資格取得のための講習形態は各自治体によりまちまちであるため、管轄の消防局に講習日程及び費用については確認する必要がある。防火防災を仕事にする人というより、どちらかと言えば店や建物の責任者クラスの人が取得することになる資格である。


参考:一般財団法人 日本防火・防災協会


④ 防災管理者

防火管理者と同じく、消防法で定められる防災管理者の設置が必要とされた建物において、当該防災管理者となるための資格。防火管理者との違いは、その扱う範囲であり、建物の責任者クラスが取得することになるという点ではほぼ同じである。各自治体により講習形態が変わる点も同様であるが、場所によっては防火管理者とセットで取得でき、防災管理者は担当していないが資格は持っている、という防火管理者は多い。


⑤ 危険物取扱者

消防法に基づく一定以上の危険物を取り扱う際に必要となる資格。危険物の種類により6種に分かれた乙種と、ガソリン、灯油及び軽油等の取扱いに絞った丙種、そして全種の危険物を取り扱うことのできる甲種に分類される。ガソリンスタンド等で勤務できる乙種第4類が有名なほか、タンクローリーやマグネシウムやナトリウムを取り扱う施設等で勤務する際に必要とされる。


参考:一般財団法人 消防試験研究センター


⑥ 防火対象物点検資格者

消防法に基づく、火災発生時に甚大な被害を出しかねない一定規模以上の建物に対して課される防火対象物点検を行うための資格。資格の取得は講習とその後の修了考査により行われるが、講習を受けるには防火管理者や消防設備業等の経験年数が必要であり誰でも受講できるわけではない。


参考:一般財団法人 日本消防設備安全センター


⑦ 防災管理点検資格者

防火対象物点検の防災版。点検が義務付けられる建物や施設の規模はかなり大きい。防火対象物点検と同じく、講習と修了考査により資格を得られ、誰でも受講できるわけではない。

参考:一般財団法人 日本消防設備安全センター


# 建築基準法関連

① 建築設備検査員

建築基準法第12条第に基づき、建築物のうち特定行政庁が指定する建築設備(換気設備、排煙設備、非常用照明、給水設備及び排水設備)の安全確認を行うための定期検査を実施できる資格である。建築基準法の要請であるものの、それら設備は防火防災にも大きく関わってくる設備となっている。資格の取得は講習(実地の他DVD聴講もあり)受講後、修了考査を経て行われる。受講するには、電気、機械、建築等の学歴要件のほか、建築関連の実務経験が必須。


参考:一般財団法人 日本建築設備・昇降機センター


② 防火設備検査員

建築基準法第12条に基づき、建築物に設けられた防火設備(防火扉、防火シャッター等)には定期検査と特定行政庁への報告が義務付けられており、その検査を行うために必要な資格。講習を受講しその後の修了考査にパスすると、実技講習を受講することができるようになり、実技講習を修了すると晴れてその資格が与えられる。建築設備検査員と同じく、受講には学歴要件や実務経験が求められる。


参考:一般財団法人 日本建築防災協会


# その他

電気工事士

防火防災の資格ではないが、消防用設備の工事は電気工事が多いため、消防用設備の工事業務を担うつもりであれば取得する必要が出てくる。一般住宅や店舗などの600ボルト以下で受電する設備の工事に従事できる第二種と、第二種の範囲と最大電力500キロワット未満の工場、ビルなどの工事に従事できる第一種に分かれている。


# まとめ

本コンテンツは防火防災に関わる業務をする上で、必須もしくは有効となる資格を挙げた。上述の資格は数多ある防火防災に関わる資格のうちの一部であり、これで全てではない。しかし、実務に関してはポイントを絞ったものになっているので、業者選定における基準として参考になれば幸いである。



関連:

コンテンツ「防火管理者に選ばれたら何をすべきか」

コンテンツ「防火対象物点検とは」

コンテンツ「防災管理者とは」

コンテンツ「消防用設備とは」

コンテンツ「消防設備士とは」

コンテンツ「防火戸概要」

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