スマートウェルネス住宅について


住宅 安心
安心して健康に暮らせる住宅

(公開 2022/10/19)

 1. サマリー

スマートウェルネス住宅とはどういったものなのか、またスマートウェルネス住宅等推進事業について簡単に言及する。スマートウェルネス住宅とは、高齢者等が安心して過ごすことのできる住環境を指す。国土交通省はこのスマートウェルネス住宅の普及を推進するための制度を設けている。介護事業者もスマートウェルネス住宅および各種推進制度の動向に注目する必要がある。


 2. 目次

# はじめに

# スマートウェルネス住宅とは

# スマートウェルネス住宅等推進事業について

# おわりに


 3. コンテンツ

# はじめに

少子高齢化の進行に歯止めがかからず各地方自治体の財政も悪化傾向にある状況の中で、スマートウェルネス住宅に注目が集まっている。今回は、スマートウェルネス住宅とはどういったものなのか、またスマートウェルネス住宅等推進事業について簡単に言及したい。


# スマートウェルネス住宅とは

スマートウェルネス住宅とは、国土交通省の定義によると、「 高齢者、障害者、子育て世帯等の多様な世帯が安心して健康に暮らすことができる住環境」のことを指す。


参照:国土交通省HP「スマートウェルネス住宅等 推進事業について」https://www.chisou.go.jp/sousei/meeting/ccrc/h300601_siryou1.pdf


また、エネルギー効率の良い住宅(=スマート住宅)と安心で安全、健康に暮らせる住宅(=ウェルネス住宅)の2つの性能を持ち合わせた住宅、という考え方もある。


参照:ナイス株式会社HP「スマートウェルネス住宅とは」

https://www.nice-home.jp/smart-wellness/


国土交通省の説明によると、世帯数の減少、急速な高齢化の進展、要介護・要支援高齢者と認知症高齢者の増加、長寿命化と高齢期の長期化などの要因により住宅政策において福祉分野との連携の重要性が増す中、このようなスマートウェルネス住宅の普及を進めることが喫緊の課題である、とのことである(上記国土交通省HP参照)。

このスマートウェルネス住宅は基本的には、高齢者が介護施設でのケアが必要な状態に至る前段階で、可能な限り自宅でケアができる環境を整備することを目指しているようである。つまり、現存のハード(住居)を最大限に生かしながら、増え続けるであろうことが予測される介護需要を、スマートウェルネス住宅が抑制することを多少なりとも期待している、と捉えられるだろう。


# スマートウェルネス住宅等推進事業について

国土交通省は、上記のようなスマートウェルネス住宅を普及するために、スマートウェルネス住宅等推進事業と銘打った政策を執り行っている。

具体的には、以下のような施策を行っている。なお、具体的な補助額、補助率などについては毎年変動するので、国土交通省のHPを確認してもらいたい。


1. サービス付き高齢者向け住宅整備事業

サービス付き高齢者向け住宅とは、「バリアフリー構造等を有し、介護・医療と連携し高齢者を支援するサービスを提供する」施設のことを指す。このサービス付き高齢者向け住宅供給の加速や多様な居住ニーズに応じた整備の推進を図るため、整備費に対して支援を実施している。

参照:国土交通省HP「サービス付き高齢者向け住宅」

https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk3_000005.html


2. スマートウェルネス拠点整備事業

高齢者、障害者、子育て世帯等の居住の安定確保や地域住民の健康の維持・増進、多様な世代の交流促進等を図ることを目的として、住宅団地等に拠点施設を新設・改修する場合その費用に対して、国が民間事業者等に補助を行っている。

具体例としては、東京都世田谷区の千歳船橋住宅団地、愛知県豊明市の豊明住宅団地などがこの制度を利用して住宅整備を行っている。

参照:スマートウェルネス住宅等推進事業HP「平成28年度スマートウェルネス拠点整備事業及びモデル事業について」

https://www.koreisha.jp/service/dl/setsumeikai/data02.pdf


3. スマートウェルネス住宅等推進モデル事業

高齢者等の居住の安定確保及び健康の維持・増進に資する先導的な事業として選定されるものに対して支援を実施している。例としては、小田急多摩線「黒川駅」「栗平駅」の駅前施設を起点とした郊外型住宅団地における取り組みなどがあげられる。

参照:小田急不動産株式会社「平成30年度スマートウェルネス住宅等推進モデル事業 (住宅団地再生部門)小田急多摩線「黒川駅」「栗平駅」の駅前施設を起点とした郊外型住宅団地の活性化プロジェクト 事業全体の効果の評価・検証報告書」

https://www.odakyu-fudosan.co.jp/pickup/swkensho2020/swkensho2020.pdf


4. 住宅確保要配慮者専用賃貸住宅改修事業

既存住宅等を改修して住宅確保要配慮者専用の住宅とする場合の改修費に対して支援を実施している。対象となる工事は、バリアフリー改修工事、耐震改修工事、共同居住用のための改修工事、間取り変更工事である。


# おわりに

スマートウェルネス住宅は、うまく活用できれば、介護需要の抑制のみならず、高齢者のQOLの向上、地域の福祉分野での連携強化などに資するものである。介護事業者にとっても、スマートウェルネス住宅の概念を知っておけば、住宅と介護施設での役割分担などについて考え直すきっかけが得られるかもしれない。

いずれにせよ、スマートウェルネス住宅関連の政策動向には今後も注目する必要がある。



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