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特定小規模施設用自動火災報知設備とは

更新日:2022年2月17日


特定小規模施設用自動火災報知設備とは

  (公開 2022/1/12)

1. サマリー

みなさんは特定小規模施設用自動火災報知設備(以下、特小自火報と表記する)というものをご存知だろうか。特定小規模施設で設置可能なこの自動火災報知設備はコストの面で非常に優れている。今回はこの特小自火報の仕組みを解説するとともに、設置できる建物や設置する時の注意点について考察する。



2. 目次



3. コンテンツ

まず自動火災報知設備(以下、自火報と表記する。特に特小自火報と区別する際は一般的な自火報と表記する)および特小自火報とはどんなものかについて述べる。自火報とは自動で火災を感知し警報を発するもので、消防法の規定に適合したものをいう。自火報は建物の使われ方と延べ床面積によって設置が義務付けられている。設置義務に違反すると罰則がある。そして、特小自火報とは自火報のうち特定の小規模な施設にしか設置ができない物を言い、機能を簡略化しコストを抑えた自火報である。


次にその仕組みについて解説する。一般的な自火報を構成する要素は最小で3つで、それは、火災を感知する感知器、火災の情報を集約し音響装置等に伝える受信機、火災を館内に知らせる音響装置である。

それぞれの機器は導線によって連結されており、その導線は容易に切れないように金属管の中に入れたり壁に埋没させたりする。(※1)自火報については他の記事で詳しく紹介しているので是非そちらも参照していただきたい。(末尾参考1)



自動火災報知設備システム概略図

図1 wikipedia より引用


特小自火報は無線式連動型・警報機能付感知器と表されることがある。つまり、自火報の感知器に警報機能が組み込まれているものである。そして、それぞれの感知器は無線で相互に送受信している。火災を感知器が感知すると自らが警報を発するとともに他の感知器に信号を送り、他の感知器も連動して警報を発することで建物内の人に火災を知らせる。ゆえに特小自火報において受信機は必ずしも必要ではなく、配線も不要である。



特小自火報の設置イメージ

図2 特小自火報の設置イメージ

画像引用 能美防災株式会社 HPより引用



(※1)近年では、一般的な自火報用でも無線式感知器が使われることがある。(末尾参考2)


特小自火報を導入するメリットとして最も大きなものは低コストで済むことだろう。

特小自火報は受信機等の機器が不要な分コストを抑えることができる。また、無線式の特小自火報の場合は配線をする必要がない。さらに、専用のバッテリーを電源としているため電源線を繋ぐ必要もない。このような点から設備コストの面で非常に優れている。

さらにコストカットをしたい方はご自身で感知器を設置する選択肢も考えられる。無線式特小自火報の設置に関しては消防設備士の資格要件は必要としないため、はっきり言えば誰が設置しても違法ではない。最初に感知器をペアリングする必要はあるが、電気工事の知識は問われないためそれほど難しくはないであろう。設置する個数が多くなった時や電波の飛びが悪い構造物で中継機を設置する必要がある場合など、専門家に依頼したほうが早くて安上がりな場合もあるが、そうでなければ一般人でもできないわけではない。ただ、問題になるのは、設置することよりも事項で紹介するような届け出や、使用できる場所及び感知器の個数や種類の判定になるであろう。


# 設置についての注意点

さて、全ての施設で特小自火報が使用可能なのかというとそうではない。特小自火報は自火報の設置義務がある建物のうち小規模なものにしか設置できない。詳しくは、消防設備士メーカーが作成した設置基準のまとめ(末尾参考3)を参照して欲しいのだが、ここではざっくりと下記にまとめてみた。

●自火報の設置義務において特小自火報を用いることができる建物

①300㎡未満の下記<表1>の建物

②300㎡未満の<表1>を含む複合用途の建物

③<表1>300㎡未満の(5)項イと、5項ロ(アパートなど共同住宅・賃貸住宅)のみで構成された複合用途の建物のうち300㎡以上500㎡未満のもの


<表1>

自火報設置事務において特小自火報を用いることができる建物

①のように、基本的には300㎡未満の建物においてのみ特小自火報を用いることで自火報の設置義務を満たしたことになると考えてよい。また②については、例えばカラオケ店と飲食店が同じ建物内にあったとして、建物全体で300㎡未満ならば設置義務を満たすということである。③については民泊などをイメージするとわかりやすい。民泊の建物として貸し出す部分が300㎡未満であり、それ以外の賃貸などの部屋と合わせて500㎡未満であれば設置基準を満たすことになる。ここまでは割と分かりやすいが、これにも複数の例外がある。例えば、1階に通じる階段が1つしかない3階建ての建物(特定1階段)には設置できないという例外や、その例外の例外などである。現地を確認しないと判断が難しい場合もあるので注意が必要である。

また、特小自火報を購入する際にも注意が必要である。住宅用火災警報器というものがネットショップや家電量販店で売られている。この住宅用火災警報器は特小自火報とよく似た機能を持っているものの、性能や機能の面で異なっている。当然、設置義務を満たすものではないので誤って購入しないように注意をしよう。

そして、設置する際にも気を付けて欲しい点がある。先に、特小自火報の感知器の設置は消防設備士の免許が不要だということを述べた。しかし、場所によっては、無線が届かず中継器というものを使って無線送信の補助をする必要がでてくる。中継器を設置する際は、消防設備士の資格と電気工事の資格が必要になるので注意してほしい。また、特小自火報を設置した際は、下記<表3>の書類などを所轄の消防署へ届出をする必要がある。届け忘れや記入漏れが無いように注意しよう。


<表2> 特小自火報の届出書類の一例

特小自火報の届出書類の一例


特小自火報はコスト面を抑えるために非常に優れているので筆者としてもおすすめの消防設備である。ただし、いざ取り付けてみたものの、設置基準を満たせていなかったというケースや、無線の電波が届かず配線工事が必要になったりといったケースもある。自火報を設置する必要が生じた場合は、特小自火報が設置できるかどうか消防設備業者や消防署に相談してみてはどうだろうか。


4.参考

(参考1)

自動火災報知設備について


(参考2)

無線式の自動火災報知設備について 能美防災HPより


(参考3)

特小自火報の設置基準 能美防災HPより



関連:

コンテンツ「住宅用火災警報器と火災報知設備の違い」






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