立入検査とは 


検査

(公開 2022/08/25)

 1. サマリー

立入検査は建物や設備等、そして建物の運営が、防災の観点で法令に違反せずに運用されているかを確認するために行われる。消防計画などの書類が正しく作成・保管されているかや、消防用設備が設置基準を満たしているかなどが検査される。重大な違反が見つかると刑罰が科されたり、違反の内容が公表されることもある。違反が指摘された場合は改善計画を立て、改善計画を提出する必要がある。


 2. 目次

# はじめに

# 立入検査とは

# 立入検査のポイント

# 検査後の指摘事項

# まとめ


 3. コンテンツ

# はじめに

立入検査とは、建物などに消防署員が出向き、建物や消防用設備等が法令に基づく基準に適合しているかを検査するものである。これは、建物の関係者(管理者・占有者・所有者など)に、火災発生危険やこれに伴う人命の危険を予防してもらうことを目的としている。

平成14年までは事前の通知(48時間以前)

が消防署に義務付けられていたが、現在は、事前通知なしで検査を行うことができることになった。今回の記事では立入検査の方法や、違反が指摘された時はどうすれば良いのかを解説する。


# 立入検査とは

消防白書によると、平成30年度中に全国の消防機関が行った立入検査回数は、86万2,630回となっている

立入検査等により判明した防火対象物の防火管理上の不備や消防用設備等の未設置等について、消防長らは火災予防上危険であると認める場合は、消防法違反として処理され、過料や刑罰が課されることがある。

また、近年では違反内容が自治体のホームページ等で公表される制度「違反対象物の公表制度」が開始されている。この公表制度については別の記事で詳しく説明しているため、そちらを参考にしてほしい。

重大な消防法令違反の公表制度


抜き打ち検査が可能とはいえ、多くの場合は消防署から事前に防火管理者等へ通知があり、日程調整のうえで検査が行われる。立入検査の当日は、建物の大きさにもよるが、消防署員が2名ほどで訪れることが多い。対応する建物の所有者や管理会社は、消防署から急に連絡が入り、消防署員から色々な質問をされたり、建物内を見て回って指摘されたりといったことに対応をすることになる。


# 立入検査のポイント

立入検査では消防法はもちろんのこと、建築基準法などの消防法以外の事項についても確認される。ここでは特に注意して欲しい次の①〜④について解説する。

①消防関係の書類に未提出や不備がないか

消防計画が立てられ、届けられているかを確認しよう。また、人員の変更などがあった際は必ず消防計画も更新しておこう。避難訓練の実施回数が規定通り行われているかなども確認されるので注意しよう。

〇消防計画について(防災管理者に選ばれたら何をすべきか)


②避難通路や避難口に障害物がなく、経路が確保されているか

避難口や避難器具は常に使用できるようにしておこう。避難扉が障害物で開かなかったり、避難器具の前に障害物が置いてあったりすると、指摘されることがある。特に注意が必要なのが防火扉である。防火扉の前に障害物があると、火災の際に扉が閉まらず、不作動の原因となる。

〇避難設備概要

〇防火戸概要


③感知器や消火器が適切に設置されているか

消火器、火災感知器など消防設備は、専門的な知識がないと正しく設置するのがとても難しい。消防設備の定期点検は必ず専門の業者に依頼し、指摘されないように注意しよう。また、定期点検は必ず定められた回数を満たすように実施し、専用の書式で記録を残しておく必要がある。立入検査の際に確認されるため、直ぐに出せるように準備しておこう。


④危険物が適切に保管され、必要であれば申請されているか

危険物の保管・取扱い方法も検査対象である。一般的に使われている石油や塗料・アルコールも、保管されている量によっては消防法違反になる可能性があるので注意が必要である。

〇身近な危険物の特徴と保管方法


#検査後の指摘事項

立入検査の結果によっては、消防署員による立入検査(査察)後、「立入検査結果通知書」が渡される。(場合によっては後日になることがある)ここに立入検査における指摘事項が書かれている。

重大な違反が判明した場合は、「改修計画書」の提出が求められる。期限内に提出し、実際に改善を行わないと、刑罰が科されたり、違反物件として公表されることがある。立入検査で指摘があった場合は、契約している建物や消防設備の点検業者がいる場合は指摘事項の内容について相談し、改善しよう。


#まとめ

立入検査は、建物や消防用設備等またはその管理が法令に基づく基準に適合しているかを検査するものである。消防計画や定期点検などの書類だけでなく、実際に設備や建物を見て違反がないかが確認される。検査の結果違反があった場合は、刑罰が科されたり違反物件として公表されることがあり、改善計画を提出する必要がある。立入検査で指摘があった場合は専門の業者に相談するようにしよう。



参考

防府市公式HP(消防署では予防査察(立入検査)を実施しています)

https://www.city.hofu.yamaguchi.jp/soshiki/36/sasatugyoumu.html


消防庁HP 令和元年版 消防白書

https://www.fdma.go.jp/publication/hakusho/r1/chapter1/section1/para2/47650.html


消防庁 違反処理要領(PDF)

https://www.fdma.go.jp/laws/tutatsu/items/tuchi1408/39ihan_a.pdf


消防庁 立入検査マニュアル(PDF)

https://www.fesc.or.jp/ihanzesei/whats/pdf/00.pdf


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