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自立支援と設備

更新日:2022年12月11日


玄関の手すり

(公開 2022/12/05)

 1. サマリー

介護における高齢者の自立支援促進のための設備面での工夫、また自立支援のための住宅環境整備を進める自治体の助成事業について述べる。自立支援のための設備としては、手すりの取付け・段差の解消など高齢者が自力でできることを増やすようなものが重要視される。制度面では厚生労働省が介護保険を利用しての住宅改修を認めていて、各自治体もそれに応じて助成制度等を整備している。


 2. 目次


 3. コンテンツ

# はじめに

介護の世界において利用者の自立支援に注目が集まる中、自立支援を実際に支える設備、また自立を促進する仕組みの重要性が同様に増しているのは言うまでもない。今回は、自立支援促進のための設備面での工夫、また自立支援のための住宅環境整備を進める助成制度について触れる。


# 自立支援に必要な設備

利用者の自立支援を促進するための設備面での工夫として、以下のようなものが挙げられる。

  • 手すりの取付け

利用者が自力で歩行、移動するためには手すりの設置は不可欠と言っても過言ではない。手すりは転倒・転落などの事故防止や、ベットから起き上がる際などの負担軽減にも役立つものである。床に土台を置いて使用する据え置きタイプ、突っ張り棒タイプ、工事で取り付けるタイプなどがある。

  • 段差の解消

玄関や階段などの段差につまづいて転倒・転落するリスクを低減するために、段差を解消、低減するのも重要である。具体的には、敷居を低くする工事、スロープの設置、床のかさ上げなどで可能な限り段差を解消するように対応する。

床・通路面の材料変更

浴室のモザイクタイルやカーペットなど、床面に滑りやすい素材を使用している場合、転倒のリスクが高まる。滑りにくいシート素材やフローリングに張り替えることで事故のリスクを低下させつつ、自立した歩行の補助にもなる。

  • 扉の取替え

扉の開閉の際にバランスを崩してしまったり、開き戸の開閉スピードに足が追い付かずに引っ掛かってしまうことなどで事故につながるケースも多い。そのような事故を減らすためには、間口を広く取りやすい引き戸に取り換えたり、リモコンで開閉できる扉を設置することなどが有効である。

  • 和式から洋式への便器の取替え

和式トイレより洋式トイレが利用者にとって使いやすいのは想像に難くない。また手洗い用のスペースをトイレの前面に設置することなどで、利用者の身体的負担をより低くすることができる。


# 自立支援の設備のための制度

厚生労働省は、以上のような高齢者の自立を支援するための住宅改修について「在宅介護を重視し、高齢者の自立を支援する観点から、福祉用具導入の際必要となる段差の解消や手すりの設置などの住宅改修を、介護給付の対象とする」とし、介護保険を利用した高齢者の自立支援のための住宅改修を認めている。(厚生労働省HP「社保審-介護給付費分科会第180回(R2.7.20)資料6 福祉用具・住宅改修」https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/000650022.pdf 参照。ただし、「住宅改修は個人資産の形成につながる面があり、また、持ち家の居住者と改修の自由度の低い借家の居住者との受益の均衡を考慮すれば、保険給付の対象は小規模なものとならざるを得ない。」とし、その給付対象は限定的であるともしている。)

以上のような自立支援の助けになる住宅改修を推進するために、各地方自治体も助成事業を行っている。以下数例について紹介する。

  • 葛飾区(2022年11月24日時点)

葛飾区に住民登録をしている、65歳以上で運動機能が低下している、介護保険法の介護認定(要支援・要介護)を受けていない、在宅生活を続けるために住宅改修が必要と認められるといった要件を満たす対象者に対して、自立支援のための住宅改修に要する費用の助成を行っている。助成は一個人で1回限りで20万円を限度としている。(参照:葛飾区HP「自立支援住宅改修費助成」https://www.city.katsushika.lg.jp/kurashi/1000052/1002141/1002158.html

  • 大阪市(2022年11月24日時点)

在宅の要介護、要支援認定を受けている高齢者が居住する住宅に手すりの取り付けなど小規模な住宅改修を行う場合、その費用の一部を支給している。要介護度にかかわらず、20万円が限度で、その1割、2割または3割を自己負担としている。

また、この制度を利用する際、日常生活の利便を図るものかつ自立支援住宅改修に関連する工事であるが制度の支給対象とならない部分について、その費用を補完的に給付する制度もある。高齢者本人の介護保険料段階に応じて給付費が変動する。

(参照:大阪市HP「住宅改修費の支給」https://www.city.osaka.lg.jp/fukushi/page/0000370650.html

「高齢者住宅改修費給付事業」https://www.city.osaka.lg.jp/fukushi/page/0000006625.html

  • 中野区(2022年11月24日時点)

介護保険での認定によって給付の対象の改修内容、費用が異なる。

介護保険で要支援、要介護の認定を受けた高齢者に対しては、浴室の改善、台所の改善、便器の洋式化などの便所の改善について給付を行っている。

介護保険で自立の認定を受けた高齢者に対しては、手すりの取り付け、床段差の解消、腰掛便座、スロープの導入等に対して給付を行っている。

(参照:中野区HP「自立支援住宅改修等給付事業」https://www.city.tokyo-nakano.lg.jp/dept/313000/d001832.html


# おわりに

自立支援については、重視する取り組み、介護保険制度での助成内容などが時勢に応じて変わるので、社会保障審議会などの議論の動向も確認したい。住宅改修給付の要件、手続き、補助金額などについては、厚生労働省の方針、各自治体によって異なるのでHP等を随時確認してもらいたい。


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