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Disaster Recovery as a Service市場の今後について


デジタル技術によるDisasterRecovery

(公開 2021/03/06)

 1. サマリー

MARKETS AND MARKETS社やslutions reviewのレポートサマリーを参照しつつDisaster Recovery as a Service (DRaaS)市場の今後を概観する。DRaaS市場の拡大はクラウド利用の拡大とともにある程度の成長が見込まれることはいうまでもない。一方で改めてこれらの内容をみるとクラウド利用を前提とした、より高度なDisaster Recovery対応を視野に入れていることがわかる。実態的には日本の中小企業が実施すべき内容はシンプルなクラウド移行であり、その第一歩としてデジタル技術の導入をしてみることが推奨される。


 2. 目次


 3. コンテンツ

# Disaster Recovery as a Service (DRaaS)とは何か

防災等の業界にいるとDisaster Recovery as a Service (DRaaS)という言葉はあまり耳にすることがないかもしれない。この「X as a Service (XaaS)」は所謂IT業界、とくにクラウド業界界隈を中心に流行した言葉であり、「X(何か)をサービスとして提供する」という意味と考えればよいだろう。もともとITのInfrastructure基盤向けのIaaS等から始まった言葉であるが、気が付けばIDaaS(ID認証)やDaaS(Desktop基盤)など様々な言葉で用いられるようになった。その点を鑑みるとDRaaSとは「Disaster Recoveryをサービスとして提供する」とでも考えればよいだろう。そうは言っても、これだけでは何か分かりにくいであろうから、もっと具体的に考えるにはMARKETS AND MARKETS社のレポートで定義される3つのポイントを参照するのが分かりやすいと思う。つまり①Real-time Replication、②Backup and Restore、③Data Protectionである。①はデータの常時同期、②は自動データ保存の復旧、③自動データ保護とでも考えればよいであろうか。要はビジネス推進に関わるコンピューター回りのBCP対応と考えれば分かりやすいのではなかろうか。


# DRaaSの今後

さて、DRssSの定義を終えたところで業界の見立てを鑑みると、言うまでもなく市場拡大の傾向が示唆されている。つまりコロナ化のような状況の中でIT技術、クラウド技術の推進は不可避であり、それに伴いデータ保護等BCPに特化したサービスもより需要が高まるということであろう。実際、MARKETS AND MARKETS社のレポートによると2020年51億ドルであった市場は2025年に146億ドルに膨れ上がるという。つまるところ、どのような企業でもクラウド利用の進展に伴ってこの領域への関心が強まるということであろう。


市場の拡大は理解できるものの、それでは具体的に、一体どのような企業がその例に該当するのであろうか。これに関しては当方にとっても興味深い事例でもあるため調査したところ、様々な企業が見て取れた。詳細はsolutionsreviewのページにTOP20の事例が上げられているためそちらを参照していただきたいが、やはりこの領域は専門性の高い、より高度なデータ退避や保護手段を提供するサービス企業と巨大なIT関連企業が並ぶ。前者の分かりやすい事例がAcronis社のような事例(詳細はリンク先参照)であり、後者の分かりやすい事例はMicrosoft社や日本から唯一該当のリストに挙がったNTTコミュニケーションズ社であろう。


ここから推認されることは、DRaaS市場を牽引するのはやはり専門性の高いサービス提供企業か巨大IT企業であり一般的な中小企業が踏み出すには少し尻込みをしてしまうのではないであろうかということである。


# 中小企業が実施すべき第一歩

上述の通り、DRaaSを強く意識した上で、肩肘はった対策をはじめることは中小企業にとって、少なからず敷居が高い。その点を鑑みると、別コンテンツ内でも述べたが、中小企業が最初に実施すべきは一部自社利用のIT環境をクラウド化すべきことではなかろうか?全てがすべてを解決するというわけではないし、あらたな障壁も発生しうる問題であるものの、クラウド化を適切に進展させれば必然的にバックアップ等の問題意識も少しずつ高まっていき、結果としてDRaaSが目指す状況に近づいていくことになるのではないか。



参照:


関連:

コンテンツ「防災から見たクラウド利用について」

コンテンツ「消防における新技術活用」



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