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2020年 日本の主要な災害事例

更新日:2021年1月12日


令和2年7月豪雨

写真:REUTERS/Kim Kyung-Hoon

(公開 2021/01/09)

 1. サマリー

2020年は全国各地で災害が相次いだが、その中でも死者を出した事例を挙げる。それぞれの災害事例に基づいた自治体の災害対策ルール化の推進と、個人一人ひとりの防災意識の向上が求められる。


 2. 目次


 3. コンテンツ

# 令和2年7月豪雨

令和2年7月豪雨

朝日新聞社


7月3日から31日にかけて西日本から東日本、東北地方の広い範囲で続いた集中豪雨災害。特に4日から7日にかけて九州で記録的な大雨となり大きな被害をもたらした。総務省消防庁の発表によると、死亡者の全国合計は84名で、うち65名が熊本県から計上されている。熊本県では球磨川や筑後川の氾濫などで大きな被害を出しており、県内死亡者65名のうち、65歳以上の高齢者数が55名と全体の約8割を占めている。


今回の災害で、高齢者特に自力避難が困難な方たちに向けた防災対策の必要性が改めて浮き彫りになった。水害対策では、危険な場所に近づかないとするのが鉄則だが、居住地域が既に危険地帯である場所は多い。幸い洪水はある程度予測することが可能なので、自分の居住地域が危険なのかどうかハザードマップで確認した上で、情報収集を欠かさなければ人的被害は抑えられる。自力避難が難しい方の避難には人手が必要なので、施設の管理者や自治体は対応する必要が出てくるだろう。自治体は広域災害の際には必ず人手不足に陥るため、地域防災計画に別途対策をルールを組み込み、業務を効率化しなければ迅速な対応は難しいだろう。


# 郡山飲食店爆発事故

郡山飲食店爆発事故

産経新聞社


7月30日に福島県郡山市内の飲食店で発生したガス爆発事故。店舗は改装中であり、事故当時利用客はいなかったが、工事現場監督1名死亡のほか、重傷者2名、軽傷者17名、ならびに当該建屋全壊、付近の多数の建物が被害を受ける事故となった。爆発原因は、漏洩した液化石油ガスが何らかの理由により引火したと推定されている。


ガス爆発については人災の面が否定できず、ガスの漏洩防止のためのルールが正しく定められていたのかどうかが気になる点である。同種事故として2007年に渋谷の温泉施設が爆発した事故がある。温泉であるため、ガスの種類は別種であるが、ガスに対する事故防止策のルール化が急がれる。


# 令和2年台風第10号

令和2年台風10号

読売新聞社


9月に発生し、「大型で非常に強い」台風となったことから過去最強クラスと言われた台風。日本に上陸したときには勢力を若干弱めたため、特別警報は発表されなかったが、全国で死者3名、行方不明者3名を出す被害をもたらした。特に被害が大きかったのは鹿児島県であり、住宅被害の棟数は1,255ともなった。勢力を弱めたとは言え、最大瞬間風速は沖縄県南大東島で51.6メートル、7日には長崎県長崎市野母崎で59.4メートル、対馬市鰐浦で48.9メートルとそれぞれ観測史上1位の値を更新した。


# COVID-19パンデミック

新型コロナCOVID-19

2021年1月現在も、現在進行系で渦中の真っ直中にある世界的パンデミック。2021年1月8日の時点で国内死者数3,609人、全世界で190万人が死亡する大惨事になっている。人的被害にのみならず、生活環境を一変させることで経済的にも大きな被害をもたらした。2020年はCOVID-19(以下、新型コロナ)の年と言っても過言ではないであろう。


新型コロナは世界中で様々な社会的ルール及び規範を根底から変えた。災害対策についても同様である。人の往来が制限されたことで、避難施設の運営が困難になり、ボランティア等の力を当てにすることもできなくなってしまった。医療従事者の数も限られている中、いかに感染を抑えつつ災害対策へのリソースを確保するのか。まだ苦しい状況は続くだろうが、現場の最前線で戦う医療従事者の方々にエールを贈りたい。



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